リベルタン魂
東京とパリを行き来しつつ、「日本とフランスの架け橋」として様々な活動をしている国際ジャーナリスト、ドラ・トーザンさん。
彼女の新著『フランス人は「ママより女」 (小学館文庫)』が、小学館から出版されました。
ヴァカンスをたっぷり取るのにGDPが世界5位だったり、
「結婚」という制度に縛られず、事実婚やパックス(共同生活)、一人暮らしなど多様なライフスタイルを自由に選択していたり、
94年に1.66まで下がった出生率が、08年には2.02まで上昇したり。
おまけに「不倫」にも寛容という、フランスの国民性(「フレンチ・パラドックス」)を、様々な切り口で紹介しています。
確かに、「自由」や「自立」を何より重んじるフランス人のライフスタイルは、私たち日本人にも学ぶべき点は多いはず。
中でもリベルタン魂の記述には大いに感化されました。。
――ヴァカンスをたっぷり取っているのにGDPが高いのも不思議です。
ドラ:その理由の一つは、「生産性」が高いということでしょうね。
フランスは、仕事をするときには集中して仕事をし、終わればすぐ解散してプライベートな時間を楽しんでいます。
スポーツしたり、美術館や映画館へ行ったり、家族と過ごしたり。
日本人は、そういったウィークデーのプライベートタイムが本当に少ないと思います。
ーーフランスは昔から「自由」を尊重する国なのかと思っていましたが、60年代までは保守的な国だったそうですね。
ドラ:フランスはプライベートな問題と仕事は割り切って考えているんですよね。
それに、アムール(恋愛)をとても大切にする国で、大恋愛の中には不倫も含まれる(笑)。
そのベースには、フランス人の「リベルタン魂」もあるんですよ。
リベルタンとは、自由に生きる人、自由奔放な人、権力に負けない人という意味です。
――フランス人は、40歳、50歳になっても恋愛を謳歌しているのに、日本で同じようなことをすると「年甲斐もなく」と言われてしまいます。
年齢を重ねることを「劣化」と表現するのも失礼な話ですよね。
ドラ:ヨーロッパでは40代の女性がすっごく魅力的だし人気がある。
私の別の著書『フランス人は年をとるほど美しい』(大和書房)を是非読んでください(笑)。
年齢を重ねれば経験や知恵も増えて、人生をどんどんエンジョイできるようになるはずなんですよ。
日本人は自分に対しても他人に対しても、プレッシャーが強すぎますよね。
もうちょっとエンジョイしてもいいし、一つの価値観に縛られないでほしい。
「いい会社に入って、何歳までに結婚して、子供を作って、家を建てて……」というだけが人生じゃない。
自分にあったライフスタイルを自由に選び、堂々と生きてほしいですね。
by hinomarufighter | 2016-03-03 06:36 | 人生の教え